デルタ航空の広告キャンペーンに代わり、ニューヨークの最大駅、グランド・セントラル(日本人には「グラセン」で親しまれている)駅中にドイツ国旗をまとったクラウディア・シファーが登場して話題になっている。ドイツはワールドカップの開催地でもあるから、タイミング的にも馴染みのある国だ。
「私のところにいらっしゃい」「男の子たち、ドイツに投資してみたら」と、思わせぶりなキャッチコピーが続くが、ポスターの説明書きを読むと、「ドイツはアイデアの宝庫、ぜひ投資しましょう」という旨のメッセージ。アメリカ人がドイツに投資するベネフィットを、ドイツのノーベル賞受賞数、法人向けの法制度、大学・研究所数、最新テクノロジー、ドイツ人の英語力などで説明している。
さて、クラウディアは仏女優ブリジット・バルドー(べべの愛称で知られる)の再来と呼ばれ、「ゲス・ジーンズ」の広告で一世を風靡した90年代を代表するスーパーモデル。ファッションブランド、チャネルのイメージモデルも長年務めていた。
実は、クラウディアはすでに30代半ば。30代40代に達したスーパーモデルたちはこのところショーや広告などに頻繁に登場して復活の兆しだ。もはやファッションモデルの「年齢神話」は存在しないといっても過言ではない。今回のキャンペーン、フォトグラファーにはスーパーモデル・ブームの立役者でもあるピーター・リンドバーグが担当、リンドバーグはポーランドで生まれ、ドイツで育っている。べべ風に撮影した「ゲス・ジーンズ」から今回はうまく「成熟したべべ」に撮り上げている。
今回のキャンペーン、堅くなりがちな投資の斡旋をドイツなりにウィットに富んだ広告に仕上げたという。トップモデルを起用したのも、国をプロモートする際にモデルやポップスターを使った前例がないからとの理由。ビールや車だけじゃない、欧州の経済の中心地で、しかも、美しくて魅力的な国がドイツなんだ!をアピールしている。